非上場株の評価改正 令和9年度税制改正
- 松井達也
- 4月16日
- 読了時間: 4分
国税庁が非上場株式の相続税評価額を見直す方針であることが判明しました。
非上場株式の評価については、令和5年度の会計検査院の報告書で、評価制度の在り方を検討するように指摘されていました。
いつかは改正になると考えられていましたが、ついにきたという感じです。
改正の流れ
● 令和5年会計検査院報告書
相続等により取得した財産のうちに取引相場のない株式の評価についての指摘
● 令和8年4月15日
報道により、国税庁が非上場株式の評価ルール見直しのため、有識者の検討会を設置する
ことが判明した。
今後有識者の会議により検討が進められる
● 令和8年12月中旬(予定)
令和9年度税制改正大綱に盛り込まれる予定
現状、具体的な評価の改正は不明ですが、会計検査院の指摘事項を確認してみましょう。
令和5年度の会計検査院の報告書での指摘事項
<原則的評価について>
・会社規模が大きい会社ほど株価が低く算定されている
⇒原因は類似業種比準価額が純資産価額に比べて低く算定される
⇒結果として異なる規模の会社間の公平性が確保されていない
類似業種比準価額が純資産価額と比べて低くなる要因
要因1 評価通達改正の影響
・業種目の選択 小分類と中分類、中分類と大分類 などの有利選択
・類似業種の株価(いわゆるAの金額)
課税時期前3カ月、前年平均又は2年平均の有利選択
・利益金額 直前期末以前1年間、又は2年間の平均の有利選択
要因2 類似業種比準価額の算式中、配当金額の影響
・配当金額を計上していない評価会社が全体の80%であるため、実質比準要素が
2つしかないのに、3で除している。

会計検査院検査報告より
<配当還元評価について>
還元率10%が現状の金利水準に応じて見直されていない
データでは、5%~9%でも原則評価との逆転は少数
※還元利回りが低下すると、評価額は高くなる


では実際の改正内容は?
現状では不明と言わざるを得ませんが、
報告書に記載のある内容から独断と偏見により推測!
してみますと・・・
抜本的な評価方法の改正ではなく、現行の通達をベースとした改正
<類似業種比準価額>
・業種分類の有利選択ができなくなる
厳密な業種判断が難しいケースなど選択の幅は必要な気がします。
可能性低い?
・類似業種比準価額の選択肢の減少
時価(株式相場)の一時的な変動の影響を受けるので、取引相場のない
株式の評価にはなじまないのではないでしょうか?
可能性低い?
・評価会社の決算期の選択肢の減少
比準要素1に該当しないために、利益や配当を調整するなどの操作が
できないようにされる可能性はあるかもしれません。
可能性中?
・しんしゃく割合の変更(原行 大会社0.7、中会社0.6、小会社0.5)
会社規模の不公平感の是正には一番単純で簡単
可能性中?
・配当が0の場合の計算 分母を2にする
常々、配当の要素はほとんどの会社で0だよな・・・と感じていました・
納税者には有利ですが、改正はしかたない?
可能性大?
<配当還元価額>
・還元利回り 10% ⇒ 5~7% もしくは基準年利率のようにつど公表
他の通達でも利率は改正されているので、改正はやむなしか
可能性大
あとは、収益還元などの別の評価方法が導入されるなども考えられますが、
取引相場のない株式はそもそも流通性が低いため評価が抑えられていたはずです。
そのあたりをどうするかが難しいところだと思います。
また、事業承継と合わせて考えると、株価を高くして、納税猶予へ誘導し、事業承継しない
中小企業は廃業しなさい!!!という方向に行くのでしょうか?
こう考えると、株式の移転割合や移転方法によって使用する評価が変わるといったことも
あるのでしょうか?なぞは深まるばかりですが、今後の情報が出ましたら、またご紹介させて
いただきます。
非上場株式の評価の全体像(会計検査院作成資料)


※評価の仕組や詳細は下記を参照



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